柿の葉すしについて
“ハレ”の日の御馳走
吉野地方では、昔からハレの日に柿の葉すしを食べる習慣がありました。
夏祭りや田植えなど、みんなが集まる時の御馳走として食べられていました。
柿の葉すしの歴史
海がないからこそ生まれた郷土料理
海のない奈良では、熊野灘でとれた鯖に浜塩したものが運ばれてきました。熊野から吉野までかかる3~4日間にうまみ成分が凝縮され、いい塩梅になった鯖を薄く切って、すし飯の上に乗せ、柿の葉で包んだものを大きな杉箱に1つずつ入れていました。そこに重石をして、1日寝かせてから食べられていました。
現在では流通が発達して新鮮な魚が届くようになりましたが、鯖すしを柿の葉で包む独特の食文化が受け継がれ、保存性もあり手軽に食べることができるようになりました。
なぜ柿の葉なのか?
“柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺”と歌人の正岡子規に詠まれるほど、奈良は柿の産地として知られています。昔は各家庭には柿の木があり、実を食するだけではなく、柿渋を採取したり、つるし柿にしたりと様々な用途として重宝されました。そして柿の葉があまり虫に食われない様子を見て抗菌性があると思い、柿の葉で包んだともいわれています。
今では柿の葉には柿タンニンというポリフェノールがあり、抗菌・抗ウイルス作用があることが科学的に証明されています。
柿の葉すしの作り方
塩で締めやすいように3枚におろしてから使用します
ひょうたろう独自の割合で、鯖・鮭を塩漬けにします
ひょうたろうでは、すべて手作業で行っています
お酢をお米の中に浸透させるため、通常の炊飯時より少し水加減を少なくします
ご飯をすし型に成型し、数日寝かせた塩鯖・塩鮭を乗せていきます
ひょうたろうでは、熟練の職人が手作業で1つずつ包んでいます
柿の葉すしを知って
もっと奈良を楽しむ
柿の葉すしが作った翌日がおいしい理由
柿の葉すしの作りたては、すし飯、塩鯖、柿の葉の風味の調和はそれぞれバラバラです。作ったものを1つずつ詰めて押すことにより、めしの余分な空気が抜け、めしと塩鯖と葉っぱを一体にすることができます。その味がまろやかになる頃が作った翌日になります。
奈良県吉野郡吉野町吉野山429番地
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FAX 0746-32-5840
[営業時間] 9:00~16:00
[定休日]毎週月曜日
(月曜日が祝日の場合、その翌日)